精神科看護「まごころ草とばいきん草」

精神科看護「まごころ草とばいきん草」

精神科看護に関する自分なりの覚書

精神科訪問看護に来て感じていること

ありがたいことに、私の所属している医療法人は、急性期精神科病棟だけでなく、訪問看護も抱えており、この前転属が決まりました。 まだ精神科訪問看護に来たばかりで若輩ですが、大変多くのことを感じているので少しお伝えできればと思います。 1)立場が…

I'm Not Awake

タイトルは河合先生が第7回ISMSJ学術集会(2015年7-8月)でご紹介されていた、Neuroscience Education Instituteの動画です。 www.youtube.com これ1本で覚醒/睡眠の神経伝達物質の流れが理解出来る優れものです。 ただ残念ながら私は英語がいまいち分から…

ピアサポートについて

ピアサポートについての研修会に少しだけ参加しました。 内容的には「この地域にはこんなピアサポートがありますよ」ということと、 実際にピアサポーターとして活躍されている方々の講演会と言う形でした。 ピアグループの簡単な一覧はCOMHBOのサイトにあり…

精神科看護って面白い! 魅力・やりがいについて

お問い合わせに「精神科のお仕事の魅力ややりがいについて教えて欲しい」とコメントを頂きました。ありがとうございます。 人それぞれ、精神科の魅力ややりがいを感じる点は異なるところが多いと思います。(後述しますがそれこそが魅力の一つだと思ってい…

全く新しい睡眠法「シャッフル睡眠法」で不眠と上手く付き合う

「シャッフル睡眠法」とは? ツイッターを見ていると、精神科医の斎藤環先生が シャッフル睡眠法だそうな。https://t.co/y3GyvzKMG2これは効きそう。要は「脈絡」と「自由連想」の禁止。眠れないときって、このどっちかにはまるからねえ。今度やってみよう。…

子どもの権利について

前回の記事は、子どもを守るために、という視点で親が知っておくべき義務や知識、情報リテラシーということでしたが 今回の記事は子どもの権利についてです。今、森田ゆり氏の著書を知り合いから推薦してもらい読んでいます。 また読了後感想を述べようと思…

健常者のスペクトラム

アスペルガー症候群や広汎性発達障害が自閉症スペクトラム(ASD)に統合されて久しいです。これ、単に精神疾患に限らず、スペクトラムは存在するように感じます。 例えば、ついうっかりとしたミスや見落としは人は誰でもすると思います。病的な程の繰り返し…

認知症合併の精神疾患患者さんとユマニチュード

受け持ち患者さんに、認知症を合併した患者さんがいます。 高齢で難聴もあり、幻聴もあり、性格は頑固で、なかなか対応困難な事例だなと感じていました。配薬をすると、口に含んで吐き出したり、コップの水をスタッフにかけたり。なかなか大変でした。 正直…

全然書けてませんね

まとまってブログを書く時間がほしいのですが、なかなか・・取れませんね。 今日も備忘録みたいなこと書きます。現在2つ課題を抱えてまして、 一つは【感情と看護】について。 もう一つは【職場の人間関係・ストレス発散方法】について。【感情と看護】 武井…

最近思うこと

時間がなくて記事をかけないので、 最近感じてることをメモしておきます また時間ができたら調べたり、まとめたりできればなあ。【若年精神障害者の社会性スキル、対人技術】 対人関係で発症することが多い印象です。 SSTとかもうちょっときちんと勉強したい…

精神科領域にある法と人権について5

2001年(平成13年) 大阪教育大付属池田小事件が発生しました。 犯人には精神科病院に入院していた歴があり、責任能力の問題が注目されました。 2度の精神鑑定で人格障害と判定され、責任能力を認める結果となり、死刑判決を受けました。犯人は前科の…

精神科領域にある法と人権について4

1987年(昭和62年)の精神保健法は、 「人権擁護と社会復帰の促進を主眼とした法改正」となっており、87年経ってはじめて精神疾患のある人の人権について提言されるようになりました。 ・本人の同意にもとづく任意入院制度の創設(ここで初めて法定…

精神科領域にある法と人権について3

1964年(昭和39年) ライシャワー事件が発生しました。 ライシャワーさんは米国の駐日大使で、生まれて16歳まで日本で過ごしており、その後アメリカ国籍を選択された方で、日本のことを一定以上理解し、尽くしてきた方でした。 その方が19歳の統合…

精神科領域にある法と人権について2

精神病院法によって徐々に病床数は増え、2万5千床まで増加しましたが、第2次世界大戦により4千床まで病床数は減少してしまいました。単に病床数を増やすだけでなんの意味があるんだ、というようなのが今の考えですが、当時は統合失調症などの精神疾患に…

精神科領域にある法と人権について1

精神看護と言うのはなんだかややこしく、身体科と違って患者さん・利用者さんだけを考えているわけではないようです。 家族のことはもちろん考えています。それだけではなく、治安や地域の安全といった、公衆衛生的な考え方も取り入れられ考えられています。…

アサーションについて

アサーションとは、超ざっくりと要約すると「自分もOK 相手もOK」となるようなコミュニケーションと習いました。私自身、アサーションについて全然わかってませんので、この記事は今の私の知識を整理する、くらいなスタンスでいきます。 いろいろ調べてわか…

医療安全について3

医療事故の要因は、財団法人日本医療機能評価機構医療事故防止事業部よりざっくりデータを引っ張ってくると、確認を怠った15.2% 観察を怠った14.9% 判断を誤った14.3%と、55.1%が確認や観察不足であり、 技術的な要因による医療事故は10%前後です。 その他35…

医療安全について2

初心者と熟練者のエラーの違いは、下記の通りです。・初心者 知覚したことの何が大事かの取捨選択が下手 円滑な想起ができない 予測の幅が狭い 不要なことをしないことが下手 割り込みがあると全体が乱れてしまう・熟練者 仕事の内容をよく知っている→憶測に…

医療安全について1

一般に、医療に対する期待は大きく、「医療は安全に決まっている」「病気は必ず治せる」「命を永らえさせてくれる」と思われています。 ルート確保を一発で決めなければ、「何度も刺しやがって」などという思いが自然と起きがちです。しかしながら、医療現場…