精神科看護「まごころ草とばいきん草」

精神科看護「まごころ草とばいきん草」

精神科看護に関する自分なりの覚書

ピアサポートについて

 ピアサポートについての研修会に少しだけ参加しました。

 内容的には「この地域にはこんなピアサポートがありますよ」ということと、

 実際にピアサポーターとして活躍されている方々の講演会と言う形でした。

 

 ピアグループの簡単な一覧はCOMHBOのサイトにあります。

www.comhbo.net

 しかしながら一市町村まで網羅できていないのが事実。また、ピアは横のつながりで広がっていったりすることも多いので出来たり、消えたりしている様相です。

 例えば一地域で言えば、大阪は精神障害者バレーボールが強いのは知っていましたか?全国上位レベルだったりします。単にピアと言っても、お話をするだけではなく、スポーツで全国を目指したり、小説や文章で自分の才能を発揮したりと言う形だってあるんです。だって、同じ人間ですから。

 例えば当事者さんの作品と言えば以前の記事で熱く語りました

sakatie.hatenablog.com

のほか、文集的なものでは、

当事者が語る精神障害とのつきあい方 -「グッドラック!統合失調症」と言おう-
 

そのほか漫画であれば、  

人間仮免中

人間仮免中

 
みちくさ日記 (torch comics)

みちくさ日記 (torch comics)

 
うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち

うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち

 

  様々にあります。

 

 紹介しきれないですね。また、機会を見つけてお伝えできればと思ってます。

 

 閑話休題

 ピアサポーターの講演会の部分が心に残ったので少し紹介します。

 「私たち精神障害当事者は、健常者のようにバリバリなんて働けません。健常者はフルコース料理が楽しめます。辛いことがんばってがんばって、最後にデザートを楽しむ。そういうような働き方が出来るんですね。対して私たちはワンプレートディッシュ。ちょっと仕事してはちょっと休んで、の繰り返し。そういうふうに自分のことをしっかりと知って、ゆとりをもって働くと言うことを目標にすると良いと思います。」

 

 と。含みのある分かりやすいたとえで、なるほどなあと膝を打ちました。また、

 「自助グループなんかに入ったら、また患者になってしまうんじゃないかと不安に思う人も出会いました。その気持ちはよく分かります。私も患者にはなりたくありません。ただ、自助グループが目指しているのは一人ぼっちにさせない。自殺をさせないと言うことなんです。だから、そうやって拒絶する人はまだ誘う段階じゃないのかなと思って、様子を見ています。隔離拘束をされた時に、ふと”井の中の蛙大海を知らず”と言葉が思い出されました。惨めな思いでした。退院後、その言葉の続きがあると知りました。”井の中の蛙大海を知らず。されど、空の高さを知る”と。私たちは空の高さをもはや知っています。自分ひとりだけというものの限界を知っています。機会が来た時には、自助グループに来て下さい。」

 なんと爽やかな誘い方でしょうか。

 

 私たち医療者では提供できるものに限りがありますし、医療一辺倒では彩が足りません。ぜひ、知り合いや精神保健福祉士、支援センター、医師などから近くのピアサポートについて情報を得て、一度どんなものか様子を見てみるのも良いのではないでしょうか。結構な角度からの支援の実際を体験することが出来ますよ。