看護研究についての自己学習ノートその1
看護研究といえば、この本が名著でしょう。とりあえず買っておくことをお勧めします。圧倒的内容量と整理された内容、豊富な実例と、これ一冊あれば網羅されています。この本で分からないことがあれば、初めて他の本に行ってもいいんじゃないかなと思えるほど、充分です。
ここ数週間の検索ワードを見ていると、看護研究を調べている人が多かったです。
やはり3月は新編成の時期ですから、どこの病院でも看護研究も指名されちゃうんですね。
私も今の病院でも看護研究の指名がされたので、自己学習を兼ねて記事にしていきたいと思います。
私の力量不足で無意味な記事になるかもしれませんが、上記名著を参考にしつつ、ざっくりと看護研究について紹介したいと思います。
まずはこの記事では、
【看護研究って何したらいいの?】
を、伝えていければなと思います。
・何が求められているか
はじめに、看護研究と言ってもめちゃくちゃ幅広く、定義を決めておかないと大変なので、ここでは 【病院勤務の看護師さんが、教育ラダーなどで看護研究を行う】 とします。例えば卒論であったり、科研費を取って研究をしたりなどといった話は省きます。
そうすると、論文のレベルは原著論文まで行ければいいのですが、研究報告や実践報告レベルでもいいのかなと思います。あくまでも何かを実践、または調査を行っていくことが求められていると思います。
(論文のレベル参考:論文投稿について|一般社団法人日本看護研究学会)
つまり、何かを計画して、実践して、報告を行うという一連のレポートが出来ることが求められていると考えられます。
・何をテーマにすればいいのか
基本的には普段実践していることをテーマにすればいいのかなと思います。普段実践していることで、さまざまに疑問が出てくることはあると思います。例えば、どうして怠薬ってしちゃうのかな、みたいな簡単なことでいいと思います。
大切なのは自分が本当に疑問に思っていることをテーマにすることです。看護研究は様々に文献を調べたり、長いこと調査をしたり、文章を推敲したりすることが多く、根気の要る業務です。だから、はなから興味のないテーマだけは選ばないようにしたほうがいいと思います。
今まで私がテーマにしたものだと、「地域で暮らしている疾病を有する方の怠薬に至らない要因について」と「看護師の就労継続要因について」というものがあります。
怠薬について、は怠薬によって状態悪化して再入院をする、という流れが多く、怠薬の要因はコンプライアンスの低さや面倒くささ、スティグマがあるという理由がある事は調べたら分かったのですが、怠薬せずに頑張っている人の要因についてはあまり調べてもわからなかったのでテーマとしました。
看護師の就労継続要因については、一般企業と比べて看護師の離職率14%というのは実はちょっと低めで、辞める要因については多く語られますが、続けている要因については実態があまり分からなかったのでテーマにしました。
テーマは、なんだか疑問に思ったことにするほうがいいと思います。
・だいたいどんな感じで看護研究は展開していくのか
スケジュールなんですが、参考程度に私が前にやったものだと、
4月5月 テーマを決めて予備調査(文献を調べたり論文を調べたり)
6月 予備調査でも分からなかった部分について研究計画実施
7月8月 アンケート作成・各部署に挨拶をして配布
9月10月 アンケート集計・統計データに落とし込む
11月12月 統計データ考察、論文を書き始める
1月2月 論文推敲(だいたい9回くらい文章を作り直した)
3月 発表原稿作成・発表
って感じでした。割と1年あったとしても結構タイトですし、普段の業務や他の委員会の事、係の事なんかも同時平行になりますから、なるべく早め早めに看護研究はやっていったほうがいいです。実際、複数人で看護研究をすることが多いと思いますが、上記のスケジュールで毎月1回か2回程度しか集まれませんでしたし、その間各自が宿題ということで作業の分担をしたり、そのすり合わせをしたりとなかなか忙しいです。
・研究計画書について
各病院で色々雛形はあると思うのですが、
1)研究テーマ
2)研究の動機
3)研究の背景
4)目的
5)意義
6)研究方法
7)文献
8)作業計画
という感じで研究計画を埋めていけばいいのかなと思います。
この記事では、看護研究って何?って所をふわっと紹介しただけでしたが、
次の記事からはこの研究計画書について一つずつ解説できればなと思います。
続きます。