精神科看護「まごころ草とばいきん草」

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精神科看護に関する自分なりの覚書

看護研究についての自己学習ノートその2

というわけで、この記事から、前回の看護研究についての自己学習ノートその1から内容を引き継いで、雛形をひとつひとつ説明していきます。今回の記事では1)研究テーマ2)研究の動機、の二つを解説します。

1)研究テーマ

2)研究の動機

3)研究の背景

4)目的

5)意義

6)研究方法

7)文献

8)作業計画

 

1)研究テーマについて

テーマは前回の記事でもお伝えしたとおり、自分が普段実践で興味があったり、疑問があったりしたことについてを仮に挙げればいいのかなと思います。

そのテーマの挙げ方についてですが、一人で看護研究をされる方はメモやノートに、複数人で看護研究をされる方は付箋にテーマを挙げていくといいのかなと思います。

付箋にテーマを挙げていく方法ですが、ブレインストーミングという方法がありまして、1つの付箋に1つの情報を書いて行き、思った事が出なくなったらグループ皆で付箋を似たグループに分けていくというものがあります。

ブレインストーミングをすることによって、共同での興味や関心が挙げられますし、また自分が全く気付いたり興味を持っていなかったりした事柄について知ることが出来ます。

この作業をする上で大切なことは1つ。何を挙げられても決して批判的・抽象的・否定的な意見を言わないということです。その約束事の上にブレインストーミングを行えば、自由な意見がどんどん出てくると思います。

皆で挙げて、分類した後はひとつ一つ内容を検討していきます。

たとえば、「糖尿病薬の選択の違いについて」なんていうメモだとすると、興味を持っていることは事実です。しかしながらそれは調べればわかります。その為研究テーマにはなりません。

そうやって調べたらすぐわかることについてはこの検討で外していきます。

その結果何か残ったものが研究テーマになりそうなものです。ここでは仮に、a)熟練看護師と新人看護師の観察力の違い b)自己肯定感と薬物療法の相関とします。

この、研究テーマは論文になる際、論文のタイトルとなるものです。ですから、最後の最後まで(仮)で行きましょう。論文タイトルは、論文の顔です。とっても大切。

 

2)研究の動機

研究の動機には、何故研究テーマについて疑問に思ったのか、ということを書きます。

a)熟練看護師と新人看護師の観察力の違い、なら、普段業務を行っている中でやっぱりベテランさんのほうがよく観察しているし患者さんの変化にも敏感に気付いている。何が違うんだろう?それが分かれば、観察力を上げて患者さんの利益になるんだけどな。

b)自己肯定感と薬物療法の相関、なら、薬物治療の中で内服行動が上手くコントロールできている人とそうでない人がいる。なんでだろう?もしかしたら、自分のことを大事に出来ていないのかな。自己肯定感ってのが影響しているかもしれない。その点が明らかになれば、単に教育を行うだけでなく、自己肯定感の高低によって教育方法を変えれば、より効果的な薬物教育が行えるかもしれない。

というような内容で、はじめは簡単に書いていけばいいのかなと思います。今後この研究の動機は、論文の中で「はじめに」のところに影響していきますし、その中で引用論文がいくつも必要になってくる部分です。とても大切。

とりあえずはそういった感じで、テーマを出して、そのテーマを挙げた理由を書いていけば、研究はもう取り組み始めている、といえるんじゃないでしょうか。

 

次回記事では3)研究の背景 4)研究の目的 5)研究の意義、について書いていこうかなと思います。

続きます。