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精神看護「まごころ草とばいきん草」

精神看護に関する自分なりの覚書

精神科領域にある法と人権について5

2001年(平成13年) 大阪教育大付属池田小事件が発生しました。
犯人には精神科病院に入院していた歴があり、責任能力の問題が注目されました。
2度の精神鑑定で人格障害と判定され、責任能力を認める結果となり、死刑判決を受けました。

犯人は前科の時に警察からの責任追及を逃れるために入院していたということがあり、精神障害者なら責任能力はないと考え、行為に及びました。
社会への影響は多大で、以後無断での学校への立ち入りはできなくなりましたし、ぜんかれんの調査によると、この事件を受けて症状が悪化した患者は半数以上に登り、自殺した患者も2名いました。

この辺りはブラックジャックによろしく、の精神科医編で鮮やかに描かれていますので、省きます。

この事件を受け、2005年(平成17年) 心神喪失者等医療観察法(いわゆる医療観察法)が制定されます。
心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」です。
重大な他害行為とは、殺人、重大な障害、強盗、強姦、放火と指定されています。
・重大な他害行為を行ったものの心身喪失などで不起訴、無罪判決などになったものが対象
適切な治療と社会復帰を目的としており、再発防止を旨としています。
しかしながら医師の許可により退院となりますが、もし退院後再び事件を起こした場合、誰の責任になるのか・・・?ということが今でも課題になっているようです。

痛ましく卑しい事件は発生していますが、それとは別に、少しずつ医療の進歩が進み、地域に復帰する精神疾患のある人が増えてきたようです。
その方の支援のために、新たに法律が制定されました。
2006年(平成18年)の障害者自立支援法です。
・ サービス提供主体を市町村に一元化(小さな政府化ですね)
・就労支援の強化
・地域社会資源活用の規制緩和
・「障害程度区分」によるサービスの利用手続きや基準の明確化
・サービス利用における利用者1割負担、食費の実費負担(医療費削減ですね)
・国の財政責任の明確化

とまあ、就労支援などは提言されてますが、医療費の締め付けが厳しくなってますね。
当時の総理は誰だろうと振り返ると・・・。安倍さんですね。これからもどんどん医療費は削減されていくでしょうね。

そんな障害者自立支援法は、2013年(平成25年に障害者総合支援法に改定されます。
健常者と障害者がともに社会で共生できるようにするために制定されたそうです。
・障害者の範囲に難病等を加える
・「障害程度区分」を「障害支援区分」に改める
・重度訪問看護の対象拡大
・ケアホームのグループホームへ一元化
・地域移行支援の対象拡大
・地域生活支援事業の追加
・サービス基盤の計画的整備

となります。
PSWさんが言っていましたが、この改正により、
従来それぞれの施設が提供していたサービスすべてを役所に提出してからの実施と、すべての施設の会議が義務となったため、業務量は増えたそうです。
その代わりにサービスがすべてつながり、支援はしやすくなったそうです。

その他、人権に関する新しい法律も増えているようです。
2012年(平成24年)、障害者虐待防止法の制定により、従来高齢者虐待防止法であったことを対象拡大し、精神障害にも適応されるようになりました。
これは虐待を受けている人を見たら、国民は通報する義務があるというものです。

また2016年(平成28年)の4月からも、障害者差別解消法が制定されました。
従来広がってきつつあるノーマライゼーションの概念を法律化したものです。障害者に対する合理的配慮の策定があり、これからどのように施行されていくか、という感じですね。