精神科看護「まごころ草とばいきん草」

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精神科看護に関する自分なりの覚書

医療安全について3

医療事故の要因は、財団法人日本医療機能評価機構医療事故防止事業部よりざっくりデータを引っ張ってくると、

確認を怠った15.2%
観察を怠った14.9%
判断を誤った14.3%

と、55.1%が確認や観察不足であり、
技術的な要因による医療事故は10%前後です。
その他35%は様々な要因となっています。

つまり医療事故の半分医療は、確認やホウレンソウによって防ぐことができた可能性が高いという結果になっています。
仮にフィッシュ哲学を導入し、なんでも言い合える職場となり、ホウレンソウが徹底したとしても、この数値が0%にはなりませんが、大きく減らすことはできるのではないでしょうか?

医療安全で外せない話題としては、ハインリッヒの法則があります。
1件の重大事故は、29件の軽微な事故が背景にあり、またその背景には300件のヒヤリハットが存在しているという、例のピラミッドです。
この仮説に則って、300件のヒヤリハットを減らせば1件重大な事故が起きないのではないかという考え方から、ヒヤリハット報告があります。

ヒヤリハット報告は本来、決して懲罰的なものではないのですが、実際のところ現場では「ミスしたんだから上司に報告してヒヤリハットの提出もしてね」というやり方になりがちですね。
また、そうやって集められたデータをそのままにするのはもったいなく、いかに分析し、現場に戻していくかも大切なのではないかなと思っています。

またヒヤリハットは何かミスを起こしてしまってから提出するのではなく、「おおっと、指摘をしてもらえたので免れた」という場合にも提出するのが適切なのではないかなと個人的には考えています。(そうはいっても、なかなか時間がなく提出できていませんが・・・)
ヒヤリハットを提出したら、何か反応があれば少しやる気も出るんですけどね。
それとすぐに業務改善を行うのも建設的でいいとは思うのですが、事故を起こした当事者は「私のせいで業務がさらに煩雑になった」という思いを抱くのも実際なのではないでしょうか。わかりませんけど。

そんなこんなふうに、医療安全について私は考えています。