医療安全について2
初心者と熟練者のエラーの違いは、下記の通りです。
・初心者
知覚したことの何が大事かの取捨選択が下手
円滑な想起ができない
予測の幅が狭い
不要なことをしないことが下手
割り込みがあると全体が乱れてしまう
・熟練者
仕事の内容をよく知っている→憶測による間違いの発生、よく考えない
苦労をせずに実行できる→気軽に不注意に行動できてしまう
誤りが少ない→誤ってもそれに気づかない
不必要なことはしない→気配りが悪くなる
知識が身についている→きめ細かく教えられない
すみません。私が思ってるわけじゃなくて参考資料に乗ってるものを載せてるのです。
新人は、知らないことや予測の甘さ等による失敗が多く、そういった意味では医療事故を起こしやすい側面があります。それと同時に、何事も確認しないと進まない点から、一つ一つの動作に注視しているともいえます。
対して熟練者は日頃の業務の流れや慣例から的確に素早く業務ができます。その反面、不注意が発生した時に気づきにくい部分があります。
熟練者は新人に技術や知識を、新人は熟練者に注視とまっさらであることをお互いに提供できれば、医療事故は減らせるかもしれません。
・・・新人のミスはびっくりするものが多いですけどね。私も新人のころ、電動ベッドを下げているときにベッドが若干の前後運動をすることを知らず動かして、壁に穴を開けました。
さて。
新人と熟練者だけでなく、チームで医療事故対策をするときに、チームエラーとなってしまうこともあります。
・チームのメンバーが他のメンバーのエラー発生に気づかない
・同僚のエラーに気づいても指摘できない
・自分の発言や行動にこだわってエラーを修正できない
こういう時どうすればいいでしょう。「指摘しあえばいい」はその通りなのですが、なかなか先輩に指摘はしづらいのが実際のところです。
なんでも言い合える職場環境を作ればいいのですが、なかなか一人ひとりの意識だけでは難しい。
そこで挙げられるのが、慈恵会の行っている「フィッシュ哲学」がひとつの解決策としてあるかもしれません。(もちろん、すでになんでも言い合える環境であれば必要ありませんが)
フィッシュ哲学は看護の世界でかなり浸透してきていますが、美味しいところどりはしないで、きちんと手順を踏んで全員が研修を受けないと意味ないと個人的に思っています。
以前務めていた病院では、美味しいところどりをしていて、フィッシュ哲学についてきちんと認識していた人はほとんどいなかったように思います。理事長が提言しているだけでは、ついてきませんよ。
医療事故は、人間が行っている業務ですからなくすことはできません。(次に続きます)