医療安全について1
一般に、医療に対する期待は大きく、「医療は安全に決まっている」「病気は必ず治せる」「命を永らえさせてくれる」と思われています。
ルート確保を一発で決めなければ、「何度も刺しやがって」などという思いが自然と起きがちです。
しかしながら、医療現場側からすると、思いはわかりますがすべてを達成することは難しいことです。医療に危険はつきものです。
ルート確保も毎回必ずベテラン看護師が行えるわけではありませんし、そのベテランが技術を向上させる過程には、痛い思いをして我慢をしていただいた方々が背景にいます。また血管がもろい・細い・脂肪組織に埋もれているなどといった器質的に困難な場合も多いのが実際です。
上記の例は、テクニカルスキルによるものです。経年による技術習得や常に勉強するといった姿勢が必要で、すぐには習得できません。
それに対しノンテクニカルスキルはすぐに現場に活かせます。
ノンテクニカルスキルによる課題は、例えば「確認を怠った」「思い込んだ」「聞き間違えた」といったことによるものがあります。
電話先で「半筒」の指示を「3筒」と聞き間違え、再確認をせず投与してしまう、同姓患者の取り違え、内服薬の服薬確認怠りによる再投与などが決していいことではありませんが、医療事故でありがちです。
ノンテクニカルスキルは、コミュニケーション力とも言い換えられるかもしれません。
これらノンテクニカルスキルは、入職してすぐにでも活用することができます。「先輩、○○という処置を行いますね」「これであってますか。」等・・・。
熟練者と初心者でも、エラーに違いが出てきます。
・・・(続く)